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Melaku Belay(マラク・バライ)
FENDIKA AZMARI BET オーナー兼ダンサー
Ethio Color Band 主宰
一般社団法人エチオピア・アートクラブ 特別顧問(Culture Ambassador)

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アズマリとは、北部ゴンダール地方出身の楽師のこと。男性はマシンコ(エチオピアの伝統楽器・一弦ヴァイオリン)を片手に即興で唄い、女性は合いの手を入れ、時に歌い踊る職能集団をさす。そんな北部の伝統芸能を楽しめるのがアズマリベットと呼ばれる酒場だ。

Melaku Belay がアジスアベバで店を構えるFENDIKAは、 アズマリベットの中でもひときわ異彩を放っている。そもそもマラクはゴーンダールの出身でも、アズマリの出自でもない。かつてストリートチルドレンだった彼が一夜の宿を求めて門を叩いたのが、たまたまアジスアベバ・カサンチス地区にある一軒のアズマリ・ベットだったのだ。マラクは住み込みで酒場の仕事を手伝いながら小遣いを稼いだ。やがて見よう見まねでダンスを覚え、その才能を開花させると、瞬く間にFENDIKA AZMARI BETの看板ダンサーとなり、海外からの出演オファーを受けるまでに腕を上げた。

そしてマラクに目を掛け育てあげた初代FENDIKAのオーナーが退くと、彼はその看板を譲り受け、遂に一石一城の主となる。経営が軌道に乗り始めると、銘打ての伝統楽師、シンガー、ダンサーを集めEthio ColorなるBandを結成し、国内外からの多様なゲストを迎えてショーをスタートさせた。出演アーティストたちへの還元をうたった入場料の設定はアズマリベットとしては異例のスタイルだ。しかし、伝統的な小屋の中で繰り広がれる一流アーティストたちのショーは評判を呼び、今ではアジスアベバの文化の発信地として押しも押されぬ存在に登りつめた。新生FENDIKAを舞台にしたマラク劇場の始まりである。
彼の伝説は留まるところをしらない。欧米のアーティストたちは、こぞって彼と組みたがった。エチオジャズと伝統舞踊のコラボレーション、コンテンポラリーダンスと伝統舞踊のコラボレーション、マラクはどんなシチュエーションにも果敢に挑んでいった。

年の1/3を海外のフェスや公演に費やすという多忙なマラク。現役ダンサーとして抜群の存在感を放ちながらも決してカサンチスの小さな小屋を離れることはしない。Melaku Belay原点は、FENDIKA AZMARI BETにあるからなのだろう。

そして2016年は、FENDIKA AZMARI BETにとって新たなチャレンジの年となった。小屋の敷地を拡大し、別棟にFENDIKA ART CENERを設置。アート・エキシビションや後進を育てるためのダンスワークショップの企画をスタート。それだけではない。これまで培ってきた国内外でのMelakuの功績が認められ、なんとフランス文化省より芸術文化勲章(L’Ordre des Arts et des Lettres)が授与されたのだ。ダンサーという職業が決して高いステータスにないエチオピアにおいて、ダンスをアートと知らしめたこの叙勲は正にエチオピア・アート史を変えるかもしれない画期的な出来事と言って良いかもしれない。

アジスアベバを訪れたなら、ぜひとも訪ねたいホットなスポットである。

◆Melaku Belay
http://www.melakubelay.com/
◆Fendika Cultural Center
https://www.facebook.com/FendikaCulturalCenter/