人口が1億人を突破したエチオピア。しかし、家畜の数はその人口よりも更に多いというのです。生まれた時から家畜に囲まれて暮らす子どもたちは、幼い頃から世話のしかたを覚え、放牧や乳しぼりをしながら大人になります。第5章では、家畜とともに暮らす人びとの日常を集めてみました。
1.世界一過酷な大地で暮らすアファールの人びと。エチオピア北東部にあるこの地域には、標高マイナス125mという灼熱のダロール低地が広がります。干からびた湖は塩湖になり、そこから切り出す塩の塊が彼らの生活の糧になります。何十頭ものラクダのキャラバンが隊列を組み塩を運びます。暑さや乾燥に強いラクダは、アファールの人びとの暮らしになくてはならない存在です。
2.家族がひとり増えました。子ヤギを抱くアファールの少女。今日から子ヤギは彼女が面倒をみます。
3.人力ならぬ牛力トラクター。牛は食用だけでなく畑仕事にも大きな力を発揮します。
4.コーヒーの実を発見したカルディと山羊の話しを読んだ時、目の前に広がったのがこの風景でした。実際にコーヒーの実を見つけたのは深い森の中、登場するのも羊ではなく山羊ですが。それでも北部に行くと山の斜面に広がる高原で羊を追う少年に出会います。アルプスの少女に出てくるペーターみたいです。
5.お正月、クリスマス、イースター、大きなお祝い事の前は、ごちそう用の羊の群れが街中に溢れます。車道で放牧中?ミニバス VS 羊の群。もはや季節の風物詩にもなっている最もエチオピアらしい風景です。